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破門
によって 黒川 博行
破門の詳細
本のタイトル : 破門
作者 : 黒川 博行
カテゴリ : 本
ファイル名 : 破門.pdf
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黒川博行はこの作品で直木賞を受賞した。それまでに、5回も同賞にノミネートされながら、受賞できていなかったが、今回本書の解説で引用されているように、著名な作家たちがその選考委員として、この作品を激賞している。それまでに、候補となった「国境」や「悪果」などもこの「破門」に勝るとも劣らぬ作品であっただけに、もっと早く受賞出来ていたのではと思った読者は私だけではないだろう。イケイケ極道で、ステゴロなら大阪で一番強いと言われるヤクザの桑原と、冴えない建設コンサルタントで、いやいやながらも桑原によって事件に巻き込まれる二宮の活躍(?)を描く「疫病神シリーズ」第5作である。今回も、裏社会をテンポのいい筋運びと、大阪弁の軽妙なやり取りで描き、読者のページをめくる手を休ませてくれない。さらに、段々、登場人物も豊富になって来ており、桑原のパシリのチンピラセツオや、若頭の嶋田のボディガードをしている木下なども、それなりの存在感をもって描かれることで、作品の幅も出ているように思う。何時も思うが、大阪を舞台にした作品らしく、「何を食べるか」とか「いくら儲かったか、あるいは損をしたか」ということについて描写を決しておろそかにしていないのも、私が、黒川作品で好きだと思うところの一つだ。桑原や、二宮も結構金遣いが荒いところが、やはり一般人でないという感じが出ていて非常に面白いが、一方、彼らなりの収支がいつも触れられるところに、鋭い金銭感覚があり、これもまたいい。最後、桑原の今後が不明なままで終わることで、また次作への期待が大きくなる。次作「喧嘩(すてごろ)」が近々単行本で発行されるらしい。楽しみなことこの上ない。
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